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ATELIER

「 oyasumi VACANT 」

Apr 20, 2020

 

2019年12月27日 晴れ
原宿にあったVACANTというスペースの最後のコンサートの日。リハーサルの時に詩曲同時に生まれた曲。大好きだったVACANTの赤い床の上にiPhoneを置いて録音。照明を運ぶ台車の音が入っている。

この日は元旦のような冬晴れで、神保町の喫茶店でお茶をしたあと会場入りした。見つかったら怒られるのを覚悟で屋上へのぼり、夕さりの光と影が溶け合う間、踊っていた。

VACANTには思い出がいっぱい。
デビュー間もない頃から、月一で独奏会をしたり、2014年にはNUUAMMのレコ発もここで。
2016年の真夏の日、演劇を観に、青柳いづみさんと一緒に外で開場待ちの列に並んでいる時、彼女が唐突にCHANELの514ルバシカのネイルをくれたことがあった。CHANELのリボン付きの小さなショップバッグを摘んでいるその爪にも同じ、514ルバシカが塗られていた。
わたしは毎年彼女の誕生日を忘れるが、このルバシカのネイルの深い紫が、彼女の誕生日の数字を持っていたいうことは覚えている。
その青柳いづみさんとは、2017年4月にここで「 M E R I N G U E 」という演劇作品を上演することになる。

 

 

2019年12月27日 晴れ
最後にテニスコーツとうたった光輪、壁の木目に染み込んだ。

ありがとうVACANT

おやすみVACANT


 

 

oyasumi VACANT

ここはもう 眠りに堕ちる
ここはもうすぐ 眠りに堕ちる
おやすみ たくさんの音楽
おやすみ たくさんの言葉
おやすみ たくさんの人々の
生きてきた 足跡たち
空っぽになる
空っぽになる
空っぽ から 殻から
空っぽ から 殻を破いたから
空っぽになる

photo : Ryo Mitamura ( 2,4,5 ) / Kodai Kobayashi ( 1,3,7 ) / Mint chan ( 6 )