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ATELIER

「 海底のエデン 」

Sep 4, 2020

海底のエデンは、5月に生まれました。
週に一度スーパーへ行く以外はほとんど外出もせず、家では楽器をさわるか、湯船で過ごす、その繰り返し。朝も夜も溶けてあやふやな中、いつものように湯船につかり、浴室の入り口に鍵盤を置いて、のぼせそうになったら上がって鍵盤に触れる。そうしているうちに生まれた曲です。

私たちは人のかたちをした発光生物。そう確信する瞬間が何度もあった。今もあるが、再び人々が動き出した世界では、音が多すぎて埋もれてしまう。神聖なほど静かだった、贈り物のようなひとときに、その光はひときわ強く感じられた。

死はいつもそこにいる。生きている実感と同じように。だが死の存在は生の存在よりもほんの少しだけ忘れやすくできている。そうでないと生きることを続けづらいからかもしれない。
音楽の包容に救われて、この頃の死の近さはわたしの心の底に豊かな園を生みました。